iPhone、映画作りに便利なアプリがたくさん出てるんだ。ここで、幾つか超役立ちアプリを紹介するね。
まず、僕はこのアプリが使いたいから、iPhoneにしたといっても過言ではないソフト”PhotoCalc”
写真や映画撮影に必要なデーターを簡単に算出してくれたり、用語辞典的なものも付いているんだ。特に僕が欲しかったのが、被写界深度計算機。今までも何でも出てきた被写界深度だけど、これは、レンズの焦点距離、絞り値、カメラから被写体までの距離、そして許容錯乱円(Circle of Confusion)から算出されるんだ。
許容錯乱円?聴きなれない言葉だね。これは撮影されたものを実際に見る際に円として認識できる大きさを便宜的に数値にしたものなんだね。だから、スタンダードのテレビより、劇場用のフィルムの方が許容錯乱円は小さい、つまり、より全体がシャープでフォーカスもシビアだって事なんだ。
許容錯乱円は本来撮影時の画質ではなく、上映時の画質から出されるものなんだね。でも便宜上、撮影時の画質のまま上映にされる事を前提に計算されることが多いんだね。
被写界深度を計算するにはまず、過焦点距離って言うのを算出しなければいけないんだ。これはレンズのフォーカスを徐々に遠方に移していくと、ある一点で見た目上無限遠まで、フォーカスがあったように見えるよね。この焦点距離が過焦点距離。これを算出する計算式が
レンズの焦点距離の2乗/許容錯乱円X絞りナンバー(算数の弱い人は気にしないでね)
被写界深度を出す数式は 近点の限界=HxS/H+(S-F) 遠点の限界=HxS/H-(S-F)
H=過焦点距離、S=カメラから被写体までの距離 F=レンズの焦点距離
被写界深度=遠点の限界-近点の限界
とまあ、現場でやるにはややこしすぎるんだね・・・・昔は星座早見表みたいな円い盤を動かして数値を出すものが使われていたんだけど、それだって、使い慣れないとわかりづらかったんだ。
話が長くなっちゃったけど、要するに、このアプリはそれらの作業を初期設定で、常にアップデートされているカメラの機種をプリセットから選んで、後は、レンズの焦点距離、絞り値、被写体までの距離を入力するだけで一瞬にしてはじき出してくれるんだ。
映画の場合、カメラオペレーターの他にフォーカスプラーっていうピント専門の人がいて、フォーカスを外さないように送っているんだね。その人にとって、被写界深度がどのくらいあるのかっていうのは、ものすごく重要なんだね。これをわかっていないと、被写体の動きが深度内で、フォーカス動かす必要ないのに動かしたりっていうことも出てしまう。
DPにとっても、カメラからの距離が違う二人の被写体の両方にフォーカスを合わせつつも、背景をぼかしたい場合なんかに絞りやレンズを選択するために、被写界深度を知ることは、とても重要なんだ。
話がすっかりそれちゃったけど、PhotoCalcはその他、現在地の日の出、日の入りを出してくれる機能や、シャッタースピード、ISO、絞りに一定値を入れて、そのうちの一つの値を固定して、残りの二つの値の相関的な変化値を計算する機能も付いているんだ。
それほど高いアプリじゃないから、iPhone持っている人は是非インストールして、実際に試して欲しい。でも、英語オンリーなので、用語辞典は辞書片手に・・・・
まだまだ、役立ちアプリを紹介するよ。