DSLRで自主制作映画。ポスプロで出来る事、現場ですべき事。

最近のコンピューター動画編集ソフトの進歩には目を見張るものがあるよね

そうなると、大抵の事は編集で何とかなってしまうんじゃないかって思う人も多いかもね

でも現実はそんなに甘くない

現場でしっかりしておかなければ、後で痛い目にあう事もたくさんあるのだ

まず、この読者の殆どが使うであろうフォーマットは、H.264という圧縮方式で、高い画質を保っている一方で、少ない容量で抑えられるように、色の情報などは最低限になっているんだ

一方で、一般の写真や、RED ONE等で撮影されるRAWは容量は大きいが、色情報は豊富に記録されているんだね

つまり、RAWはそれだけポストプロダクションで調整できる幅が大きいといえるんだ

では、DSLRではポストプロダクションであまり画質をいじらない方が良いかというと、個人的にはそうは思わない

画ののクオリティは、単純に画質のクオリティよりも、イメージとしてのクオリティで判断するべきだと僕は思ってるんだ

つまり、ある程度画質を犠牲にしても、表現としてのクオリティを重視した方が良いと思うんだね

では、まず、ポスプロでは、絶対に出来ないことから考えていこう

フォーカス、これはどうあがいてもっポスプロでは修正できない

エッジをシャープにして擬似的にピントが合ったように見せる方法はあるけど、無論、現場ではフォーカスは完全に合うようにするのが当たり前

露出は修正できないわけでは無いけれど、100%白、0%黒を越えたものは情報が存在しないので、ポスプロで、復活させることは不可能

ホワイトバランスは、ソフトの進歩のおかげで、かなりの幅で修正が可能になってきた

とはいえ、修正には劣化が伴うので、現場であわせておいたほうが良いのは言うまでも無いね

具体的な設定方法について考えてみよう

まず、適正露出とは何かと考えると、実はちょっと難しい部分がある

演出によってどこを適正とするのかは変わってくるからなんだ

ハイキー、ローキーという演出方法があって、単純に露出をオーバー、アンダーにすれば出来ると思っている人も多いと思うけど、実はそうではないんだ

ハイキーというのは、画面全体を明るい色にして、不必要な部分は白飛びさせてしまう場合もある

ローキーは全体を暗いトーンにしつつも、輪郭などのアクセントをつけたりする

つまり、いずれの場合も適正値というのは存在していて、単純に露出計で測った値を上げる、下げるで決められるものではないんだね

残念ながら、こればかりは、その照明の状態によってまちまちで、経験がものを言う世界で、単純にこうやって値を出すとは言えないんだ

ただし、言えるのは、現場でむやみに、ハイキーにするために役者の顔も部分的に白とびさせたり、むやみに暗くして、背景の情報をなくしてしまうと、ポスプロでは修正できないので、その辺りのバランスを考えて、極端な露出設定はしない事をお勧めするよ

少なくとも、ハイキーなら人物の情報がわかる、ローキーなら背景の情報がある程度わかる状態の露出設定で、ハイキー、ローキーの細かい設定はポスプロで行うようにした方がいいと思うよ

ホワイトバランスに関しては、屋外の場合は基本的に適正にして、演出的に色を変えたい場合はポスプロで行う方が良いと思うよ

というのも、自然な肌色をポストプロダクションで追い込むのは、結構難しいからなんだ

照明を組む場合は、基本で使用する照明に何もフィルターをつけない状態を基準値にして、現場で照明用のカラーフィルターで操作していった方が、色のコントラストをつけたり、表現がより自由になるよ

ピクチャースタイルに関しては、前に説明したスーパーフラットや、テクニカラー社のシネスタイルは、コントラストを限界まで弱めることによって、ハイライトからダークまでより多くの情報を入れる事を目的にしているのだけど、やはり上級者向けで、初心者にはお勧めできない

ニュートラルで、彩度を-1が、最も無難な設定だと思うよ

ピクチャースタイルに関してはまた改めて詳しく説明するけど、ここでは単純に綺麗さを目的にするのではなく、よりフィルムルックをめざしている事を理解しておいてね

最後に音声に関しては、現場ではより忠実にというよりは、ともかく台詞をクリアに捕らえる事を考えて、現場音はむしろ、カットするように心がけよう

現場音や、効果音は後からいくらでも足せるし、現場音が大きいと、編集点での音のバランスが悪くなってしまうからなんだ

但し、高周波や低周波のノイズはポスプロでもそれなりに、抑えられることも理解しておこう

音声と、映像は編集時に切り離したり、別の画にずれ込ませたりすることは簡単に出来るので、例えば、ワンショットで画に映って無い人と会話するシーンなどは、実際のタイミングとは多少ずれたとしても、台詞がかぶらないようにしておいた方が、編集の時に楽になることも頭に入れておこうね

ク~ル?

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