前回告知した通り、2時間で作ったショートホラームービーを紹介するね
ホラームービーと言うと、血が飛び散ったり、スペシャルエフェクトを使ったりで、大変だと思いがちだよね
でもあの、一世を風靡した”リング”は凄惨なシーン等無くても、巧妙な演出によって心理的に恐怖を見事に煽ってるんだ
実は恐怖を演出するには、いくつかのセオリーがあって、それを組み合わせる事によって、直接的では無く心理的にハラハラ、ドキドキさせる事が出来るんだね
今回の作品でも、そんなセオリーをいくつか使用したよ
僅か1分間だけど、果たして怖がってもらえるかな?
まず、構図だけど、人間の目線の高さではない位置、つまり煽りや、俯瞰は何か得体の知らない不安感を表現出来るね
手前にものをなめたりするのも、同様に何かに覗かれているような感じで不安を煽る効果があるんだ
通常の構図だと、目線の前方にスペースを作った方が画の安定感があるんだけど、目線の後方にスペースを作ると、背後に何者かの気配を表現する効果があり、さらに被写界深度を目一杯浅くする事で、その背後にあるものの得体が知れず、更なる不安を煽る効果があるんだね
そして主観映像、誰かと突然目が合うとドキッとするよね
そんな心理を利用した効果だねよ
最後のカットで突然、無人の画になるのは、一体彼に何が起きたのかという不安を煽る効果
そして、突然顔が現れるのは、人を脅かすときの常套手段だよね
次に効果音
普段の生活では多少なりの音に囲まれていて、完全なる静寂って言うのはある意味不安を煽るよね
そこに、時計の音や、タイプの音のような無機的な音が重なると、それに緊張感が加わる
この作品では実際に撮影したときの音は敢えて、一切入れずにSEのみにしたのはその効果を最大限使うため
静寂の中、遠くから聞こえる赤ちゃんの泣き声というのも、理由は分からないけど、何か怖いよね
悲鳴もホラーの重要な要素
本当に怖い悲鳴はそう簡単に演技出来ないので、悲鳴のライブラリーから頂いちゃったよ
音楽も言うまでもなく大事な要素
タイミングで突然流す事によって、人を背後から押して驚かせるのと同じ効果があるね
ざっと、こんなセオリーを使ってホラームービーの1シーンを作ってみたけど、こんなに簡単にちゃんと見られる映画が撮影出来るのも、一眼デジのおかげだね
次回はこの作品の撮影に関する技術的な話をするね
ク~ル