インサート編集と一言でいっても、リニア編集と、ノンリニア編集では実は意味合いが違ってくるんだ
リニア編集で言う、インサートは既にある映像の一部を、別の映像で埋める訳だよね
ところが、ノンリニアで言うインサートとは、既にある映像の特定の場所に、それ以降の映像を後ろに押し出す形で、別の映像をはめ込む作業なんだ
これを理解しておかないと?という事になっちゃうよ
これを区別するためなのかどうかわからないけど、FCPの日本語版では”挿入”という表現を使っているね
リニア編集の場合、そもそも物理的な問題で、ノンリニアにおけるような挿入という概念は存在しなかったんだね
では、リニアで言うところのインサートはどうするかというと、これは今まで、基本の編集で行ってきた”上書き”と同じなんだ
単に、上書きした部分の後ろにも、映像があるかどうかの違いだけなんだね
まず、リニアで言う、インサート編集の仕方を見てみよう
インサートの場合はタイムラインに既におかれた映像に、イン点アウト点を設定する必要があるね
この、作業はリニア編集の場合と全く同じだよ
キャンバスを選択してタイムラインの映像を再生しながら、画をインサートする、開始点にビューアの時と同様に「I」で、イン点を打つ
同様にインサートの終点で「O」を押してアウト点を打つんだ
キャンバスとタイムラインは常に同期しているから、タイムライン上にもイン点、アウト点が打たれて、その間がハイライトされているのがわかるよね
次にインサートしたいクリップを、ブラウザからダブルクリックでビューアに表示して、開始点にイン点を打つんだ
アウト点は、タイムラインのアウト点に合わせるので、打つ必要はないよ
既にアウト点が打たれている場合はoption+Oを押して消去しよう
続いて「F10」を押せば、タイムラインで指定した範囲がビューアの新しいクリップに入れ替わっているよ
但し、インサートするクリップが、指定範囲より短い場合、”内容が不十分なため編集出来ません”のエラーメッセージが出てしまうので注意が必要だね
ちなみに、タイムラインにイン点、アウト点が指定されている場合、再生ヘッドの位置に関わらず、映像は指定範囲に上書きされるよ
このインサート編集ではトータルの尺には変化がないんだね
次に、ノンリニア編集でのインサート
こちらは、画を文字通り挿入する訳だから、タイムラインにイン点、アウト点を指定する必要はないよ
そのかわり、挿入するクリップの方はビューアで、イン点はもちろん、アウト点も指定しよう
挿入したい位置に再生ヘッドを移動して、「F9」を押すと、再生ヘッドの位置にクリップが挿入されて、元あった映像は後ろに移動しているのがわかるよね
この編集だと、トータルの尺は挿入した映像の尺分延びている事になるね
この他に、ちょっと特殊なインサートとして、”空きに合わせる”という編集方法があるんだ
これは、タイムライン上のある特定の範囲に対し、特定のクリップをその長さに関わらず、範囲内にはめ込みたい場合に利用するんだ
つまり、インサートするクリップは速度を調整する事によって、選択範囲に合わせるようになるんだね
ミュージッククリップなど、一定の範囲に一つの動きを納めきりたい場合などに、有効な方法だね
基本的なやり方は、リニアで言う、インサート編集の場合とほとんど変わらない
ただし、今回はインサートするクリップに、ビューアでアウト点も指定しよう
そして、shift+F11を押せば、指定範囲の長さに合わせて、速度調整したクリップがはめ込まれているよ
こちらもトータルの尺は変わらないよ
編集をしていて、ある一つのカットを尺を変えないでまるまる、別の画に置き換えたいケースもあるよね
置き換えるクリップを、ブラウザでダブルクリックして、ビューアに開き、イン点を設定しよう
アウト点はリニア風インサート編集の時同様、必要ないよ
ショートカット「;」「’」を使って再生ヘッドを置き換えたいカットの頭に合わせて、「F11」を押すと、元の画と同じ尺で、画が置き換わっているよ
ここまでの方法は、映像も音声も一緒にインサートされるけど、当然映像だけ、音声だけインサートしたいケースも出てくるよね
その方法はまた次回に説明するね
ク~ル