超ビギナーのための自主制作映画講座 其の六 (スタッフ 技術部)

今回は技術部について。技術部の構成だけど、日本と欧米ではちょっと異なるんだね。

日本の場合は大まかに分けて撮影部、照明部、録音部、特機部

でも欧米の場合、照明部は撮影部の傘下に入るんだ

最近でこそ撮影監督や、DP(Director of Photography)っていう名称が日本でも、使われるようになってきたけど、昔は”撮影”。今でも日本の場合はメインカメラマン・イコール撮影監督だよね。

日本では撮影部、照明部は別セクションで、照明部には照明技師というトップがいる訳だけど、欧米では、撮影監督が、撮影と照明のトップになるんだ。

欧米の場合、大作だと撮影監督はカメラを回さない場合も多いんだ。カメラは、カメラオペレーターと言うポジションがあるんだね。

飽くまで個人的な意見としては、欧米のシステムの方が理にはかなっていると思う。監督の頭に描いたイメージを具体化するのが撮影監督だから、構図同様に映像の重要な要素である光は、同じ人間が管理した方が自然なような気がするんだ。

それに、抽象的なイメージを美しく具体化する能力と、カメラの操作技術は必ずしもイコールではないんだね。実際、スローパーンやズームは、微妙な筋肉の使い方などあるので、経験を積んだ年配のカメラマンは素晴らしい構図、センスを持っているのに、カメラの操作が衰えている場合だってあるわけだよね。

そんな人が撮影監督として、操作技術の優れたカメラオペレーターを使って、構図や動きを、照明部には明かりのセッティングを指示すれば、自ずと素晴らしい映像が出来上がるわけだね。

とはいっても、それは大作の話。欧米だって、インディペンデント系の映画は撮影監督自らが、カメラを回すのは良くあること。

次に助手だけど、こちらも日本と欧米では違うんだね。日本の場合、チーフ撮影助手が露出計を使ってカメラの絞り値を決定し、セカンドがフィルムの装填と、ピント送りを担当するんだ。

欧米の場合、絞りを決定するのは撮影監督の仕事。オペレーターがカメラの操作。フォーカスプラーが常に機材の横にいて機材管理と、ピント送り。その下のクラッパー&ローダーがフィルムの管理、装填とカチンコを担当するんだ。

映画の場合、素材管理はものすごく重要。どのフィルムにどのシーンのどのカットを何テイク?などが分らないと、編集の時に大変なことになってしまうよね。

クラッパーロ&ローダーは、つまり、管理のスペシャリスト。撮影助手としては、下のポジションだけどとても重要な仕事なんだ。

個人的には、ピント送りとフィルム管理を一人の人間がやるのは正直大変だと思う。でも欧米でも予算の都合で、助手が切り捨てられて、修行の場が失われているらしいよ

録音は昔はナグラっていう16mmのオープンリールデッキを使ってたこともあって、録音技師とブームマイクを振る人は別が当たり前だったけど、最近はDATやメモリーレコーダーになって、一人でやる事も多くなったんだ。

特機は、ドリーや、クレーンの担当だね。欧米ではグリップといって、三脚も管轄に入っているんだ。

自主制作の場合は、撮影監督がカメラマン、照明のセッティング。助手がその手伝いとピント送り。特機もドリーとミニジブくらいだから、この二人でこなす。録音は一人でミキシングとブーム振りをする。だから3人だね

演出部同様、どういう仕事をこなさなければいけないか理解するのが大事だよ。

次回はその他を説明するね。

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