撮影した素材をいかに整理するかは、結構悩みどころ
シーン毎に分ければ、編集の時に楽かなって思うよね
ところが、効率を考えると実は意外にそうでもなかったりするんだ
素材の少ない作品ならまだ良いのだけど、長編など、膨大な素材が、同じシーンの物まで、日を跨いで存在したりするわけだね
それをフォルダ上で整理をしようとすれば、それだけで大変な作業を要してしまう
増してや、映像と音声を別収録していた場合、同じカットのファイルが分かるように、これまた余計な手間がかかるわけだね
ここに人為的なミスが加わると、かなり取り返しにつかないことになってしまう
実例をあげると、先日少しだけ関わった、TVパイロット版の制作で、カメラアシスタントが、実に根気よく映像素材をシーンでフォルダ分けして、更にファイル名も、シーン-カット-テイクに変えて整理したんだ
一見編集しやすくなったように思うかもしれないけど、この段階で、フォルダ上、いつ撮影したのか、どの順番で撮影したのかはわからくなってしまった
ここからそれぞれのカットと同じ音声素材を見つけるためには、すべての素材をモニターして、情報の読み上げを確認しなければならないんだ
更に悪いことには、同期作業の前に編集作業を始めてしまったんだ
いったん編集した素材にはカチンコは入っていないし、一つの素材から数カットに分けて使うケースも多々あるよ
使った絵だけ同期すればいいから効率いいと思う人もいるかもしれないけど、何処にあるかわからない素材を探すのは大変な作業
おまけに細切れになったものを同期させるわけだから気が遠くなる
結局、ディスク上の整理は、最も基本的な整理になるので、手を付けずにシンプルな、撮影順にして置くのが1番安全なのだ
シーンごとの整理は編集ソフト上で幾らでも可能なので、敢えてディスク上の整理の段階で行う必要はないんだね
特に映像と音声を別収録した場合は、1日単位で整理したもので同期させた素材を独立ファイルにして、その際にシーン別に整理するという方法の方が、圧倒的に効率がいいんだ
映像と音声の同期作業はシステマティックにどんどん進めれば、意外に簡単な作業で、例えテイクが多くても、検索作業よりははるかに楽だよ
日付置きに整理しておけば、記憶を頼りに、素材を検索できるというメリットもあるね
ク~ル