ドラマの撮影方法には、カメラ1台で撮影する、シングルカメラ、複数のカメラを同時に回して撮影するマルチカメラって言うのがあるんだ
僕のこの作品はどちらの方法で撮影したかわかるかな?
台詞がカットを跨いでいるところも結構あるので、マルチカメラだと思う人も多いと思う
実を言うと、この作品はカメラ1台のシングルカメラ
台詞の跨ぎは、「超ビギナーのための自主制作映画講座」で解説したこともあるのだけど、編集の際にオーディオスプリットを利用したものなんだ
実のところ、この作品のように、役者が1箇所から移動せずに会話を続けるような作品の場合、マルチカメラの方が圧倒的に効率がいいんだ
二人がベンチに座っているシーンに限って言うと、下の図のような配置なら主観のカットを除けば、3台のマルチカメラなら、2回演技してもらえば終了してしまうんだよ
2台でも、3回の演技で終了できるね
では、何故シングルカメラで撮影したかというと、理由は簡単、カメラが1台しかなかったから、オペレーターが独りしかいなかったから
例え、カメラが2台以上あったとしても、希望のレンズがうまく使いまわせるかという問題も生じてくるよね
このブログの読者の殆どは、基本シングルカメラでの撮影になると思う
実際プロの現場でも、潤沢に予算のある作品か、テレビ局制作の作品以外は、殆どシングルカメラで撮影が行われてるんだ
とは言え、今回のようなケースなら、マルチカメラの方が、効率が良いのは間違いなくて、正直役者さんには本当に申し訳ないと思ってるんだ
編集の際にも、アクションや台詞は完全に同じわけだから、カットとカットのつなぎもスイッチングのように簡単に出来てしまうので、楽なんだね
シングルカメラの場合は、役者さんは細かい動き一つも注意深く、全てのテークで同じようにしておかないと編集で繋がりが悪くなるということが起きてしまうんだ
この作品に関しては流石はプロだけあって、どのテイクもほぼ同じ動き、間だったので、本当に助かったよ
じゃあ、こういうケースでシングルカメラにはメリットが無いのかというと、実はそうでもない
シングルカメラなら、監督もそのテイクの役者の表情など、細かい部分まで集中してチェックできるね
テイクがたくさんある分、編集の際に意外にチョイスが増える場合もある
いずれの場合も、こういうシーンの場合は念入りのリハーサルが重要で、全員が納得いくまで、何度もリハーサルをしようね
ある程度慣れてきて、作品の全体像を把握しながら撮影できるなら、カメラとオペレーターを調達して、マルチカメラに挑戦するのもいいと思う
でも、これから映画を始める人は、シングルカメラで、ワンカット、ワンカットを丁寧に演出、撮影していく事をお勧めするよ
ク~ル?