DSLRを使って映画を撮影する場合、絶対に必要なのがNDフィルター
というのも、動画撮影では基本シャッタースピードは1/50固定で動かさないため、静止画で考えればスローシャッターに近い部類で、屋外での撮影の場合、いくらISOを下げても絞りを開ける事が出来ないんだ
これでは、折角浅い被写界深度が特徴のDSLRのメリットが生かせないよね
そこで登場するのがND(ニュートラルデンシティ)フィルター。色を変えずに光量だけを落としていくフィルターで、濃度によって何種類かあるんだ
プロ用のビデオカメラの場合はこのNDフィルターは数種類内蔵されていて、ダイヤルで切り替えられるようになっているのだけど、DSLRはそんなものは付いてないので必然的に、レンズの前に装着する事になるんだ
マットボックスが付いていれば、角フィルターを抜き差しすれば良いので、手軽だけど、値段的には一般の人には現実的では無いね
さらに角NDフィルターは一般にはポリエスタータイプだけで、ガラス製のものに比べて、取り扱いが難しく、すぐに傷がつくし、プロ用のガラスのものは、1枚数万円もしてしまうんだ
マットボックスはプロっぽくてかっこいいのだけど、実はDSLRのズームレンズを使う場合は結構致命的な欠点があるんだ
それは、映画用のズームと違って、DSLRのズームの殆どは、ズームと同時に前玉が前後してしまうんだ
だからマットボックスも焦点距離を変えるたびに前後に動かさなければならないんだね
これを忘れてうっかりズームレンズを回すと、貴重なフィルターに傷を付けかねないんだ
最も現実的な方法は、まず、自分が持っているレンズで最も大きいフィルター径のNDフィルターを、ND2、ND4、ND8の三種類を買って、それ以外のフィルター系のレンズのためにステップアップリングを買うんだ
装着がねじなので、若干手間はかかるけど、確実で安価な方法だね
但し、ステップアップした場合はフードが付けられないので、ハレーション切りは気をつけてね
だけど、ドキュメンタリーのような刻々と状況が変わっていくような場合、フィルターを付け替えている余裕が無い事もしばしばあるよね
そんな場合のためにリングを回転すると、濃度が変わるバリアブルNDというフィルターが各社から出ているんだ
濃度の可変幅は2ストップから8ストップで、十分に必要な幅を満たしているんだ
こちらも、経費節約のためにはフィルター径の大きいものを買って、小さいものにはステップアップリングを利用する方法がいいね
但しこのフィルターを使う難点もあるんだ
詳しくは次回、いよいよ実践的なカメラの露出の決定伸し方等を解説したいと思うよ
ク~ル