さて、もう少しFCP-Xを弄って、エフェクトブラウザを覗いてみると、iMovie同様、エフェクトのプレビューがアイコンをスミギングするだけで出来るのは、分かりやすくて好印象
しか~し!
内容は結構極端なプリセット系が多くて、各エフェクトのパラメータもかなり少ないのだ
確かにプリセットの内容は、自分で追い込むにはそれなりの知識が無いと簡単ではないものだけど、微妙な画像調整に向いているとは言えないんだね
色調製に関してはエフェクトとは別に項目があって、カラーマップという、3way調整に代わる調整方法が基本とされているんだ
最初はかなり戸惑う事になるとは思うけど、これも慣れの問題で、むしろ3wayでは全体にしかなかったサチュエーション調整がシャドウ、中間、ハイライト単独で調整可能になった事や、逆に単独でしか調整出来なかった色調や、レベルが全体で調整可能になったので、調整の幅自体は広がったと言えるかもね
とはいえ、ブライト、コントラストやガンマだけを手軽に調整するのは難しくて、FCP7のフィルターを懐かしく思う人もいると思うよ
ジェネレータに至っては、何だこれはと突っ込みを入れたくなるような、派手なものが多く、レンズフレアや、雲、雨のような地味ながらそれなりに使えるものが無くなっているのだ
トランジションに関しては、元々プラグインを入れなければ、豊富とは言えなかったから、むしろ増えていると言えるけど、アルファチャンネル付き画像を組み合わせて作るアルファワイプが無くなっているのにショックを受けた人も多いはず
タイトルはプリセットが豊富になっているもののかなり派手で、動き等は細かい調整を自分で行う事は出来ない
けど
ちょっと待って
これってMotionのテンプレートじゃん
ここまで読んでて、FCP-Xは所詮アマチュア向け編集ソフトか・・・と思った人はちょっと待ってね
確かにFCP-X単体では、インターフェイスの使用感は優れているものの、エフェクトの調整の自由さはかなり限られているんだ
実はこれには仕掛けがあって、エフェクト、ジェネレータ、トランジション、タイトルのプリセットをMotionでユーザーが自由に作れるという仕組みなんだね
もちろん、Motionを同時購入するのが大前提だけど、5千円という値段は、プラグインの値段の事を考えると、ただに等しいくらいだと思うよ
プリセットを作る方法はMotionの初歩的な知識があれば実に簡単
モーションを立ち上げた時に作成するものを選ぶプロジェクトブラウザが表示されるので、プリセットを作りたいものを選択
実際にMotionのライブラリーを見てみると、FCP7にあったフィルターはほとんど揃っている事が分かると思うよ
単純に以前のFCPのフィルタを使いたいようにするのなら、ライブラリからフィルタを選んで、画面にドラッグ&ドロップすれば良いのだけど、Motionでプリセットを作るメリットは、この段階で色んなフィルタを複合させて、尚かつFCP上で、個々にオン、オフしたり、パラメータを自由に調整出来るようにする事が可能な事
または、パラメータをFCP上で弄れないように固定してしまう事も可能だよ
画面には効果を確認するために、ダミーの映像を挿入して、保存時に外す事も出来るよ
FCP-X上でのパラメータ調整の可否は全てのエフェクトをドラッグ&ドロップした後、インスペクタウィンドウを開いて、各パラメータの一番右にある小さな三角マークをクリックして、ポップアップメニューから公開を選択するんだ
公開を選ばなかったものはFCP-X上でパラメータが表示されないんだ
そして保存時にテンプレート名としてフィルタの名前、分類用にカテゴリー名を新規に付けて、テーマは任意だけど、FCP-Xのテーマブラウザに表示させたいなら選択しよう
これで、FCP-Xのエフェクトブラウザを見ると、新しいプリセットが加わっている事が分かると思うよ
細かい説明はここでは割愛するけど、ジェネレータやタイトル、トランジションも基本は同じ作業だね
アルファトランジションも、いちいちアルファ素材を生成しなくてもMotionで素材を組み合わせながら出来るので、モーショングラフィックの知識は必要だけど、自由度は広がったと言えると思う
すでにプリセットとして登録されているエフェクト等をさらに微調整出来るようにしたい場合は、プリセットを選択してcotrol+クリックするとMotionにコピーを開くというポップアップメニューが出るので、それを選択してMotionを開き、あとは同様の作業でパラメータの公開を可能にする事が出来るよ
パラメータ調整可能なエフェクトを任意の設定で固定したい場合は逆にMotion上でパラメータ設定をした後にパラメータを非公開にするという方法もあるよ
結局FCP-Xはシンプルで使いやすいインターフェイスを実現するために、フィルタ等を全てそのまま使用出来る用にするのではなく、プリセットを別で作成するという方法を選択したんだね
旧FCPではリスト上にずらりと並んだフィルタの効果を覚えて、編集の度に試行錯誤しながら組み合わせてエフェクトを作ってたよね
これを分離させて編集は編集、エフェクトの作成は作成で独立して、それぞれに集中出来るようにしたのは、ものすごく理にかなっていると思うよ
また、プリセットの多くはFCPSではColorの”Color FXルーム”にあたるもので、ノードと同様、インスペクタウィンドウ上の位置を上下させる事で適用順位を変える事が可能なんだ
色補正画面ではカラーマスクや、シェイプマスクの設定も可能で、キーフレームも追加出来るので、Colorのセカンダリールームに相当する事が可能なんだ
ColorをFCP-X内に統合したというのはこういう事なんだね
本来色調補正は、素材のばらつきを揃えて、基準に持っていく事が目的なので、その調整をFCP-Xのカラー調整で行って、各シーンで適用したいルックは基準映像を元に、Motionで作り上げてプリセット登録するというのがスマートなやり方なのかもしれないね
以前は何気なく編集時に行ったエフェクトやモーションコントロールを登録しておく事が可能だったけど、それは出来なくなったので、戸惑いはあるかも知れないけど、頻繁に使用するものは、Motionを使ってしっかりと組み立てておくという、ワークフローに慣れれば、むしろ効率はいいかも知れないよ
正直、エフェクトやジェネレータの内容を見たときは、やっちまったかと焦ったけど、コンセプトを理解してみるとかなり好感が持てるね
但し、今現在FCP7とMotion4のように、編集タイムラインの相互の行き来は出来ないんだ
これはXML対応していないから当然の事で、バージョンアップによってXML対応になれば自ずと可能になる筈・・・・・と僕は信じてるのだけど
アップルさん早期対応よろしく
ク~ル